2020年1月18日
예스24 스테이지 2관

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昨日に続き、本日マチネも"スリルミー”です。”スリルミー”は、けっこうマニアの人がいますが、わたしは、そうではないです。マニアの方々は、どう思っているのか知りませんけど、昨日に続き、今日もかなり面白く見れました。全然、期待をよせていなかった今季の"スリルミー”、こんなに面白く見せてくれるなんて、うれしい誤算でした。

昨日のペアもけっこう斬新でしたけれど、今日は、今まで観た中で、一番斬新でした。今日は、セリフの一つ一つに、そうだったんだ~と、とても説得力を感じました。"スリルミー”は、前にネットに一公演分のセリフがのったサイトがあって、一応全部訳したので、ひととおり頭にはいっていますが、演出はかえても台本はかわってないと思います。それなのに、こんなにペアごとに違ってみえるものなんだ~と感心しました。これは、演出なのか、俳優さんの解釈表現力なのか、新しい若手ばかりながら、なかなかやってくれます。

本日は、リチャードとネイサンは、愛し合っているのだなというのを"スリルミー”を観て初めて感じました。これまで、リチャードはネイサンが自分を愛していることで優位な気持ちをもっていて、その気持ちを時にもてあそぶように利用しているというのがこれまでわたしが感じていたことでした。昨日のクジュンモ君に至っては、ネイサンへの愛情はひとかけらもなく、自分のわがままの一番近くにいるのがネイサンという感じでした。それでも、ウソン君ネイサンは愛しているからいいんですけど。本日のネイサン、ヒョンジン君は、リチャードに対して下手にでてないのです。同じセリフなのにね~。ヒョンジン君ネイサンは、自信があるのです。リチャードとわかりあえていること、誰よりも、自分が彼を理解していて、彼も自分を求めているということを確信しているのです。これ、最初の歌の歌詞にもありますけど、その歌詞が彼の後々の態度には顕著です。そして、ヒョンジン君は、リチャードの思いつく悪いことを否定しつつも、いっしょに行動しているときは、そんなに罪の意識を感じてないっぽいです。ノユン君リチャードは、ヒョンジン君ネイサンを実は見下していません。リチャードが契約書のことを持ち出すとき、おまえがいないとだめなんだというのは、ネイサンをひきづりこむためのリップサービスなんかじゃないのです、ユン君の場合は。考えてみれば、この二人は、出会ったときから、お互いにひかれあっていて、いつもいっしょにいたわけじゃないですか。大学でちょっと離れたりしたけど。二人は、いっしょにいて、時に仲たがいもするけれど、なんとなく修復できて、お互いがお互いを求めていたのです。リチャードのわがままは、今に始まったことではないし、そんなことがあっても、ネイサンは受け入れて、ネイサンの求めにもそこそこリチャードはこたえていたのだろうなと思えました。今日のペアは、そういう過去の二人の関係を感じさせるような絆がありました。ヒョンジン君とユン君って、パートナーシップがよいのだわと思います。

ヒョンジン君ネイサンは、一貫して、ユン君リチャードと立ち位置が平等で、心の中では、彼よりも優位にいるのではないかなと、最初から最後まで感じました。通常、ネイサンがリチャードに懇願するようにみえる部分も、リチャードとの親しさゆえの甘えにみえました。ユン君リチャードもそれをわかっていて、特に意地悪をしているわけでなく、二人にとっては、それが日常のようにみえました。殺人をおかすくらいから、少しづつ心のボタンの変え違いが始まり、ヒョンジン君ネイサンは、それでも、いつかユン君リチャードとまた心が通じ合える日がくると信じているようでした。もともと、リチャードよりも頭がよくて、心の中では優位にいたネイサンですから、わざと警察につかまるように仕組んだけれど、いつかはきっと、リチャードの心が前のようにもどってきて、また元の二人にもどりたい、もどれると信じ続けているようでした。ヒョンジン君は、わりと途中から、それをみせます。眼鏡が警察にみつかってからの電話のシーンは、リチャードの叱責のような言葉や焦った言葉を聞こうとしていないし、声にならない声で、”頼むから、頼むから”と、本当に彼から聞き出したいことばを待っているようでした。ユン君リチャードが、警察で助けを求めたとき、もしかしたら、心がもどったかもと一瞬思うのだけど、それはリチャードの弱さだけであって、心が自分に向かっていないことを悟ります。”99年”のところは、よろこびでもなく、悲しみでもなく、なんだか覚悟みたいでした。リチャードが再び自分に心を向けてくれる時をひたすらにまちづつける覚悟。それを信じてまつこと。それなのに、リチャードはシャワー室で殺されてしまって、ネイサンに心を向けてくれることはなかったのだけれど。

釈放が決まるときに、自分が犯した罪の重さにうちひしがれそうになりながらも、ネイサンの中では、リチャードへの思いと二人の関係はかわってないのだなと感じました。最後の歌の歌詞、”決して、君をうらぎらない”というのも、ネイサンにとって、わざとつかまって二人で監獄にはいってことも、彼らの関係、生活の延長線上にあって、本当に気持ちの上では裏切りではなく、二人の信頼関係を信じていたのだなと感じました。なので、本日は、いちいちのネイサンとリチャードの歌詞が、形だけのものや言葉の遊びでなく、みなみな背景と思いにうらうちされたのだったのだとしっくりきました。

ヒョンジン君、4年前だったかな、”マイバケットリスト”のヘギで最初に観たのですけれど、こんな俳優さんに成長したのだね~と感慨深いです。”スリルミー”やるとは思いませんでした。やると聞いたときは、リチャードにひたすらすがる愛と欲望のネイサン系かと思ってましたけど、賢くて、自信にあふれて、リチャードから愛をひきだしたネイサンを造形するなんて、びっくりです。ヒョンジン君は、リチャード役でもいけるかもと思いました。ユン君は、お金持ちのおぼっちゃまらしいわがままさはありますが、悪魔的なあくどさを感じさせない、ある意味無邪気な感じすらするリチャードでした。これは、ひとえに、ヒョンジン君ネイサンあっての、パートナーシップのたまものでしょう。

これまで、いろいろと”スリルミー”をやった俳優さんをみましたけれど、ここにきて、こういうネイサンに出会えるとは思えなかったというくらい、印象深いネイサンでした。わたし的には、松下君、ウクジン君が、ネイサン的には代表的によいと思っていましたけれど、ヒョンジン君、この二人と肩を並べたかもです。この子を今季”スリルミー”に起用したのは大収穫だったかと思います。わたし的にも、思いがけず、”スリルミー”満喫できた2日間でした。